ミャンマーに進出をご検討のお客様の中で、ミャンマーのインフラについて心配されておられる方は少なくないかと思います。今回は、ミャンマーにおけるインフラ、ミャンマー経済の中心地であるヤンゴンのインフラ事情を取り上げたいと思います。
 軍事政権であったミャンマーが、約20年ぶりの総選挙を経て、テイン・セイン大統領政権が発足しました。政治犯の釈放やメディアの検閲禁止など民主化改革を進め、ミャンマーに対し人権侵害であると批判してきた運動軍事政権から民主化に伴い、欧米諸国からの経済制裁も解かれ、
現在、各産業における規制緩和が進められています。ミャンマーのインフラは、いま急速に整えられつつあります。
 例えば、世界中の通信事業者や携帯電話メーカーが、ミャンマーを「アジアで最後の通信ネットワークと携帯電話のマーケット」として進出してきています。
 世界銀行が2010年に行った統計調査によると、ミャンマーの携帯電話普及率は1.24%ととても低く、近隣国であるタイ(同100%)、マレーシア(同100%)、ラオス(同64%)、カンボジア(同57%)となっており、整備が遅れていました。
 現在、ミャンマーの携帯電話の通信料は所得に対し、非常に割高になっています。ミャンマー政府は、2016年までに携帯電話の普及率を80%まで引き上げることを目標にかかげています。
 また、ミャンマーでは固定電話もあまり普及していません。ヤンゴンやマンダレーなどの主要都市においても固定電話の普及率は5%前後となっています。地方ではほとんど普及しておらず、固定電話のある家は、「電話屋」として商売することもできます。ヤンゴンでも、実際に街中に配線を引き、テーブルと固定電話を設置し「街の電話屋さん(公衆電話)」がおり、使用時間によって課金しているようです。まだ電話自体の普及率が低く、固定電話も「通信インフラ」の重要な位置を占めています。なお現地の話では、固定電話の回線を引くためには、とても時間が掛かり、また平均年収の数倍の費用が必要になるとのことです。

telephone shop

 最近のニュースとしては、これまで日本円換算で数万円もしていた携帯電話のSIMカードを、政府の方針により150円まで値下げし、大きな注目を集めました。現地の一般的な月収が8500円程度ですので、まだ数万円もするスマートフォンタイプの携帯電話機自体の普及には時間が掛かりそうです。但し、日本などの国で電話が普及した過程(電話のないところから固定電話、そして携帯電話と技術革新が進んできた過程)が、一足飛びに一気に進みそうなのがミャンマーの市場としての魅力の一つではないでしょうか。
 ミャンマーのインフラ事情は、まだまだ準備不足な一面がありますが、先進国が数十年を費やしてきたものに、最新の技術を取り入れていこうとする姿勢があります。ミャンマーで不動産を探される際には、ぜひミャンマーのインフラについてもご確認頂ければと思います。

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