皆さまがミャンマーに来られて、ヤンゴンの道路を進まれると、必ずと言っていいほど、不思議な光景を目にされるかと思います。それは、ヤンゴンでいま走っている自動車が、「全て」といっても過言ではないほど、9割以上の自動車が日本から輸入された中古車、日本車です。道路だけ見ると、日本にいるのと変わらない光景となります。

 2011年までは、ヤンゴンの自動車と言えば、年代不詳の旧式の自動車ばかりでした。新しいものとしては、1980~1990年代のモデルで、エアコンなし、内装・外装ともボロボロといったものが普通で、ヤンゴンの幹線道路はさながら自動車の歴史を表わすかのような博物館状態でした。ところが、2011年9月に、ミャンマー政府により、中古車輸入の自由化が進められ、ヤンゴンの自動車事情は、わずか1年半の間に一変しました。
 2011年9月から実施された政策とは、車両登録機関が長期の及ぶ、「燃費が悪い」「安全性の低い」「環境汚染のひどい排気ガス」といった古い車両を新しい年式の車両に入れ替える内容(代替プロジェクト)であり、自動車の取引金額が一気に下がりました。
 いまでは、トヨタの「プロボックス」「サクシード」「ベルタ」「ハリアー」、ホンダの「フィット」、さらにハイブリッド車の「インサイト」、スポーツカーの日産「フェアレディZ」、マツダ「RX8」など比較的最新の車種を、ヤンゴンの街中で見かけることができます。
 またヤンゴンの公共交通手段の主役であるバスも、日本から輸入され、元の塗装のまま走っています。私の出身は、大阪ですが、地元である大阪のバスを見つけた時は、異国の地ミャンマーで現役のまま変わらず利用されていることに、同郷人にあったかように少し感慨深くなります。

 ミャンマーは、ベンガル湾に面し、港を持つ優れた立地により、中国やタイ、ベトナムに続く生産拠点(世界の工場)として有望視されていますが、同時に、ミャンマーの市場としての購買力も注目されています。現在、中古車輸入については一巡し、市場としては相場が比較的落ち着いてきているようですが、長期的に見て、まだまだミャンマーは市場として期待することができるのではないかと思います。
 ミャンマーに来られる際には、ミャンマーの道を行く日本の自動車について見られてはいかがでしょうか。弊社Fuji不動産では、不動産へ内見の際に日本車でご案内させて頂いております(車のご用意ができない場合もございます、ご了承下さい)。